● お中元の由来
お中元の起源はとても古く、古代の中国にまでさかのぼります。古代中国の道教には三官信仰があり神様を「三元」の日に祭ったそうです。この三元とは陰暦の一月が上元、七月が中元、十月が下元でありそれぞれの十五日に三官が生まれたと言われております。
お中元のもとになったのは、この三官のなかでも慈悲神様(地官)。七月十五日に行われていた誕生を祝うお祭りが、同じ日に行われていた仏教のお盆の行事と結びついたことから、お中元が始まりました。これが日本に伝わり親類や隣近所に仏様に供えるお供物を送る習慣となったようです。
この「お中元」を、地方によっては「盆供」や「盆礼」と呼んでいるところもあるそうです。お中元は江戸時代になってから、先祖へのお供えと共に商い先やお世話になった人に贈り物をする一般の贈答行事へとなりました。
● お中元を贈ったら?受け取ったら?
お中元は、お世話になった方々に、感謝の気持ちをあらわす贈り物ですが、一度だけ贈るといったものでもありません。とくに、長いお付き合いになる方には、毎年お中元を贈ることになるはずです。お中元を贈った後は、必ずレシートや送り先のリストなどを保存しておくようにしましょう。過去のお中元で、誰に、どのような商品を贈ったか、予算はどのくらいだったか、といったことが分かりやすくなり、お中元の準備がしやすくなります。
お中元を受け取った場合には、できるだけお礼状をしたためるようにしましょう。こちらからもお中元を贈っていた場合でも、それとは別にお礼状を出しておくと、印象はかなり良くなるはずです。お礼状は、お中元が届いてから3日以内に届くようにするのが理想です。特別に気の利いた文面でなくても構いません。あくまでもお礼状ですので、感謝の気持ちが伝われば十分です。
お中元を贈っていない方からお中元を受け取った場合は、慌ててお返しをするようなことをせず、まずはお礼状を出すようにしましょう。基本的に、お中元やお歳暮にお返しの必要はありません。お礼状だけでは気が済まないという場合には、お中元としてではなく、「残暑見舞い」などとしてお返しをすると良いでしょう。
● お中元の商品選び
お中元は、日頃お世話になっている方への感謝のしるし。感謝の気持ちを込めて、先様の趣味嗜好やご家族の構成も考慮に入れたお品選びが大切です。毎年お送りしているお品物でも、ご家族の構成など年々変化していくものこともございますので、注意しておきたいポイントです。
お中元に食料品を選ぶ場合は、季節のお菓子など夏を感じさせるお品物が良いかと思います。また生鮮品を贈るときは、先様のご都合を考慮しておくことも必要です。先様によっては日持ちする商品が喜ばれることもございます。
お中元の贈り物として、夏の風物そうめんは保存も利く定番商品と言えます。そのほかお中元の定番商品としては、アルコールやコーヒー、ジュースなど飲料も一般的に人気の高い商品になります。なかでもビールとジュースを組み合わせたギフトセットは、先様のご家族にもお喜びいただけると人気です。
● お中元のマナー
お中元を贈る際に、いくつかの気を付けておきたいマナーがあります。まず、お中元の商品選びについては、先様の好みや家族構成にも配慮して商品を選ぶようにしましょう。お酒を好まない方に、ビールなどの酒類を贈ることは失礼です。また、目上の方にギフト券や商品券などを贈ることも失礼にあたります。先様に不快な思いをさせてしまっては、せっかくのお中元も台無しです。
お中元の時期に先様が入院されている場合には、回復される時期にお届けすると良いでしょう。またはお見舞いとして持参するのが良いでしょう。先様が喪中の場合ですが、お中元やお歳暮は「お祝い」ではありませんので、贈っても問題ありません。それでも、四十九日が過ぎるまでは控えるほうが良いでしょう。また、「のし」は使わないようにしましょう。
お中元を贈る時期にも気を付けましょう。お中元は6月初旬〜7月15日までが一般的ですが、関西地方では約1ヶ月遅れといわれています。最近では7月中を目安に贈る方が全国的にも増えているようです。7月15日(関西では8月15日)を過ぎてしまった場合には、お中元ではなく「残暑お見舞い」として贈りましょう。
お中元にお返しをする必要はありませんが、お返しをする場合には、贈られた商品の半額程度の商品を選ぶようにしましょう。お返しに商品を贈ることはせず、感謝の気持ちを伝えるために、お礼状をしたためるというのも良いでしょう。
● お中元ののしの書き方は?
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●上段は
「御中元」
「お中元」
● 下段は
「佐藤」
「佐藤一郎」
など
●持参して手渡しするときは外のし、宅配便などで送るときには控えめに内のし、という場合が多いようです。
●お礼の品です、という体裁にしたい時には、のしの表書きも上段を「御礼」「お礼」などとします。 |
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